安全医療推進委員会より:プリオン病感染予防のアンケート調査のお願い

プリオン病の病原因子であるプリオン(蛋白性感染粒子)は、通常のウイルスや細菌などの病原体とは異なり、一般的な滅菌・消毒法で不活性化させることができません。プリオンは正常蛋白質を次々に異常化して増殖するとともに、他の個体にも伝達されます。これらのことから、プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究班・日本神経学会より、「プリオン病感染予防ガイドライン2020」が発行されています(整形外科関連はガイドライン本文のP55-58参照)。

プリオン病患者の組織で高感染性とされるのは、脳、脊髄、脊髄神経節、硬膜、視神経、網膜、下垂体とされています。整形外科領域の手術では、脊椎外科手術の一部がハイリスク手技とされており、ハイリスク手技で使用された手術器具は、ハイリスク手技に対応した洗浄・滅菌を行うことが強く推奨されています。

本件に関して、厚生労働省から「手術器具を介するプリオン病二次感染予防策の遵守」の通達が出され(2021年7月13日付)、日本整形外科学会ホームページからも注意喚起されております。しかしながら、現ガイドラインを遵守していくには、各施設における労働条件やコストの問題など、乗り越えていくべき様々なハードルがあるのが現実であるかと思われます。

本アンケートでは、本学会員が在籍する施設のプリオン病感染予防に対する現状と、今後改善していくべき問題点を把握することを目的とします。

本学会に属する全国の脊椎脊髄外科指導医を対象にweb上でご回答いただく形式をとらせていただきます。
アンケートはこちらから。会員様への一斉メールやNL(ニュースレター)でもご案内を予定しております。
なお、指導医が数人所属する施設の場合,JSSR-DB登録の際の代表指導医が、各施設の手術器具の洗浄・滅菌担当者(責任者)に実情をご確認頂いた上でのご回答をお願い致します。

ご回答に必要と予想されるお時間は3~5分程度と思います。なお、個人名や病院名が特定されるものではありませんのでご安心ください。回答期間は、2022年6月13日~2022年7月31日です。ご協力お願い申し上げます。